富野喜幸(現・由悠季)氏作の小説版「機動戦士ガンダム 2」より。
セイラがアムロとの情事の後で、実兄である“赤い彗星”シャアを殺害するよう依頼をするシーン。
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アムロの目覚めつつある意識が、明確な言葉をつくってゆくのも、セイラ伍長…金髪さんの忍び泣く声のなかでだった。
「セイラさん…」
枕に顔を埋めて金髪さんが肩をふるわせていた。
「ご、ごめんなさい…ア、アムロ…」
かすかにそう言ったらしかった。が、泣き声はやむことがなかった。アムロは恐るおそる金髪さんの背中に手を回した。その瞬間だった。パッと身をひるがえしたセイラはベッドから降りるや、全裸のままシャワールームへとびこんでいった。
「ありがとう。アムロ…。ね、全然違うことなんだけど、今夜のことと…」
言いよどんでセイラはアムロの傍らに座った。その首筋から背中の流れるような肌の美しさに見惚れたアムロだったが、瞬間、判ったことがあった。
“もう、抱けないかも知れない!…”
と。
「シャアを…殺してくれて?」
「…!」
「…いけない?」
「怨念で人は殺せません」
アムロは言った。
「それで僕と寝たんですか!?」
「関係ないって言ったでしょう」
金髪さんが低く呻いた。
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